医院概略

〒870-0027
大分県大分市末広町1丁目1-18
大分駅前ニッセイビル14階
TEL:097-536-1400
FAX:097-536-1444
E-Mail:お問い合わせはこちら≫

※大分空港からはエアライナー(バス)で1時間、終点の大分駅より1分です。

診療時間
平日(月曜~金曜)10:00~19:00
第1・3日曜日9:00~17:00

歯周病治療

いわゆる若年性歯周病(28歳)の再生療法(エムドゲイン+骨移植)

治療前

治療後


治療前

治療後


治療前は、全体的に歯周病が認められ、特に右上下の臼歯部は重度の骨破壊(Furcation Class III、黒矢印)を伴っていたが、矯正治療と歯周組織再生療法後には、著明な歯周組織(骨を含む)の再生が認められ(白矢印)、健康な状態となった。

歯周病治療(非外科処置)

Q.歯槽膿漏(しそうのうろう)がひどくて悩んでいます。

毎朝起きると、口の中が気持ち悪くて不快です。仕事が忙しくて疲れた時には、歯が浮いて痛み、左肩が上がらないようになり、気を失ったこともあります。私は、高血圧で心臓もよくないので、歯科治療が恐くてなかなかいけませんでしたが、最近これではいけないと思うようになりました。近くの歯科では歯槽膿漏が進んでいるので、歯ぐきを切開して治さないといけないといわれました。なるべく、体に負担がかからないような治療法で治すことはできないでしょうか?(50代、女性)

A.歯槽膿漏(歯周病)は、外科処置をしなくても治る場合もあります。

歯周病の病状は図1のように、大きく軽度、中等度、重度に分けられます。

図1

通常、中等度以上の場合、歯周外科処置の対象となりますが、当院では、徹底したプラークコントロールプログラムにより、そのような場合でも外科処置をせずに治療ができる場合もあります。

当院のプラークコントロールプログラムの特徴は、以下の4つです。

 (1)その患者さんに合ったプラークコントロール法の徹底指導と生活習慣の改善

 (2)プロの衛生士による完全なるPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning:専門的機械的歯面清掃)

 (3)デリケートな処置が可能な感圧機構の超音波スケーラ-を用いた歯肉縁下歯石の除去

 (4)特殊な薬剤を用いた歯根面の無毒化              

これらを確実に実行していくことにより、中等度以上の歯周病であっても、外科処置をせずに歯周組織の健康を取り戻すことは可能なのです。典型的な症例を以下に示しますが、初診時の歯周ポケットは、4~7mmと深く、口臭も強く、痛みがあるためブラッシングができない状態でした。図1でいうと中等度以上の歯が大部分でした。この方は高血圧症と心臓病の持病があるため、長年歯科医院に行くことをためらっていたということでした。患者さんのお気持ちを考慮して外科処置は避け、まずはプラークコントロールプログラムを徹底して実施しました。患者さんの積極的な協力もあって、半年後には歯周病は完治し、体に負担をかけることもなくお口の健康を取り戻すことができました。

このような非外科的処置が成功するための重要なポイントは、以下の3つです。

 (1)患者さんが歯周病について十分理解し、生活習慣とプラークコントロール法を改善する。

 (2)プロ意識のある衛生士によるプラークコントロールの専門的サポート。

 (3)歯周病に影響を与える全身的な病気のコントロールと適正な薬の選択
  (高血圧や心臓病の薬の中には、歯周病を悪化させるものがあります)。   

今回の症例も、以上の3つのポイントがうまくいって、快適なお口の状態を取り戻すことができました。患者さんは心身共にリフレッシュし、元気になったとお喜びのご様子です。現在、治療後4年を経過しますが、全く問題ありません。

あなたも、手遅れにならないうちに、歯周病を徹底して治療していただける歯科医院で治療なさることを強くお勧めいたします。

治療前

治療後


治療前(右側方)

治療後(右側方)


治療前(左側方)

治療後(左側方)


歯肉は、ブラッシング時にも出血することなく、歯周ポケットも1-2mm程度となり、完全に健康な状態。

治療前

治療後


しっかり噛めるようになり、元気に仕事ができるようになりましたとお喜びのご様子です。

歯周病治療(最小限の抜歯治療)

…福山先生、今回お話して頂く歯周病はどのような病気なのでしょうか?

福山-はい。食物が歯の周りに付着し、しばらく経つと、図1のように口腔内の細菌が繁殖し、プラーク(歯垢)となります。プラークとは細菌の塊で、この細菌の毒素が歯周組織の炎症を引き起こします。そして歯周病とは、このような歯の周りの炎症のことをいうわけですが、これには、歯肉に炎症が限局している歯肉炎(図1のA)と骨まで破壊が進行した歯周病(図1のB)とがあります。

…プラークが歯周病の原因なのですね。

福山-簡単にいえばそうですが、歯周病を起こしやすかったり、悪化させる原因には、お口の中の問題だけではなく、年齢や糖尿病などの全身的な問題も関係してきます。今回ご紹介する患者さんは、基礎疾患に糖尿病のある60歳代の男性で「歯が浮いて咬めない」 「朝起きたときに口に膿がたまって気持ちが悪い」などのご主訴でご来院なさいました。

…初診時のイグザミネーション(診査・診断)の結果はどうだったのですか?

福山-全部の歯に動揺があり、いわゆるすきっ歯になっていました。また、歯周ポケット(歯と歯肉の間の病的な溝)は5mm以上で、歯肉の発赤と腫脹、出血、排膿も見られました。さらにひどい口臭や、X線検査では、中程度から高度の歯槽骨の吸収が認められ、重度の歯周病と診断いたしました。

…実際の治療についてや、配慮れた点について教えて下さい。

福山-まず、専門の歯科衛生士による歯面清掃(PMTC)を含むプラークコントロールプログラムうぃ綿密に行い消炎を図り、保存不能な歯の抜歯(3本のみ)と歯周外科処置をていねいに行いました。このような治療により、写真Dのように健康な歯周組織を回復することができました。さらに残存する咬合不全に関しては、小規模な矯正治療と補綴処置により、審美的で良好な咬合状態を再建することができました。またこの患者さんは糖尿病でしたので、専門医による糖尿病のコントロールを図りながら、清掃性の良い歯周組織を回復することに特に配慮しました。

福山-今までずっと違和感や不快感を抱え、悩んでいた歯周病が完治し、お口の中が快適になったと大変喜んでくださいました。この治療で咬合などの機能的な回復だけでなく、審美的にも改善でき、満足して下さったようです。歯の健康はご自身によるケアはもちろん、専門の衛生士による定期的なサポートケアがとても重要です。そして何よりもまず今回の患者さんのように、60歳代でありながら、お口の中の健康に対して、高い意識を持っていただけることが満足度の高い結果となる大切なポイントになります。どんな年齢の方もご自分の歯への高い意識と配慮を持っていただければと思います。 …本日はありがとうございました。 

歯周病治療(歯周組織の再生・回復)

Q.最近、インターネットで薬(エムドゲイン)を使った歯周病治療(再生療法)について知りました。数年前より、歯周病と診断され近くの歯科医院で歯のクリーニングを定期的にしてもらってはいますが、どうもすっきりしません(特に奥の方)。もし、そちらでその治療ができるようであればご相談したいのですが?(42歳、女性)

A.歯周病には様々な段階があり、中等度以上の歯周病では、ただ単に一生懸命ブラッシングをしたり、歯のクリーニングを受けたりしてもなかなか治らない場合があります。そのような場合、歯周外科処置が必要となりますが、炎症などによる歯周組織の破壊が大きければ、再生療法の適応となります。そしておっしゃるように、最近の進んだ歯周病治療の中の一つにエムドゲインを用いた再生療法があります。エムドゲインはスウェーデンで開発された薬で、当院では5年前(1999年)から適応症を選んで本薬を用いた再生療法を行ってまいりました。治療結果は下に示しますが、正確な診断と処置を行えば、確実な歯周組織の再生が得られる画期的な治療法の一つといえると思います。

 歯周病は重症になってしまうと、この再生療法も適応困難となってしまいます。手遅れにならないうちに、まずは詳しい検査をお受けいただくことを強くお勧めいたします。

治療前(左側方)

治療後(左側方)


治療前(左側方)

治療後(左側方)


重篤な歯周病により歯周組織はゆるみ、
歯並びが乱れている。

歯周病が完治すると、歯周組織が引き締まり歯並びは自然と良くなる。


治療前は、朝口の中が気持ち悪く、
奥の歯では、
しっかり噛めない状態であった。

治療後は、朝起きてもお口の中が
気持ちよく、しっかり噛めるようになった
とお喜びのご様子です。


治療前X線写真

治療後X線写真


術前歯周組織の破壊が著しい(赤矢印)

術後は歯周組織の再生が顕著(赤矢印)


エムドゲイン

手術手順

歯肉退縮1(歯肉弁側方移動術、遊離歯肉移植術)

>>福山先生、今月号ではどのような症例を御紹介して頂けるのですか。

福山>>今回はとてもデリケートな症例で、一般的には治療ができることをあまり知られていない〃歯肉の退縮〃です。

>>どういうものなのでしょうか。

福山>>写真1の上顎の左右に歯肉が滅り、歯根面が露出している箇所があります。このような状態をさします。

>>歯肉が退縮してしまう原因は何ですか。

福山>>解剖学的に非薄な歯周組織、強いブラッシング、歯周病、外傷性咬合(歯に対する過度なストレス)など個々によって様々なケースが考えられるんですよ。症状としては冷たい物がしみるなど知覚過敏などが挙げられますが、中には見た目が気になる方もいらっしやいます。

>>治療方法を教えて下さい。

福山>>右側は歯肉の退縮部の範囲が狭いために(写真2)、歯肉弁側方移動術という外科処置を行いました。これは近くの歯肉弁を退縮部分に移動させる手術です(写真3)。また、左側は退縮部の範回が広いために(写真5)、別の簡所から歯肉を採取し(写真6)移植する遊離歯肉移植術を行いました。その治療後が写真4,7,8です。

>>歯と歯肉は再付着するのですか。

福山>>手術中に、歯根表面にテトラサイクリン又は酸による処理をするようになってから、再付着の成功率がグンと上がりました。また、移動・移植した元の部分は再生するので心配いりません。

>>はじめに先生が歯肉の退縮は治療できることを知らない方が多いと言われていましたが、この患者さんはどうだったのですか。

福山>>クリニックを訪れたきっかけは、歯の色が気になるのでラミネートベニヤかポーセレンインセラムを希望したいとのことでしたが、総合的な診査をし、歯肉の退縮が治療できることも告げると、ぜひにということでまず歯肉の改善を行い、そして歯の着色の改善に移りました。お口の健康については、やはり歯だけでなく歯周組織もに目を向けて、常に歯周組織とのバランスや審美的なことを考慮した治療が必要だと感じます。

>>どうもありがとうございました。 


近況:現在(2003年12月)、術後8年が経過していますが、歯肉の退縮や歯周ポケットは全く認められず、経過良好です。

歯肉退縮2(結合組織移植術)

…福山先生、今回は下がった歯ぐきをきれいに治療する方法についてお話頂けるということですが?

福山-はい。写真Aのように歯ぐきの辺縁が下がり(歯肉退縮)歯根が露出すると、知覚過敏や歯根部のむし歯、(歯根カリエス)を起こしやすく、審美的にも問題を起こしてきます。近年の歯周病治療学の発達により、高度な歯肉退縮に対しても有効な治療法が開発されてきました。代表的な治療法としては、以前本誌でご紹介した歯肉弁側方移動術と遊離歯肉移植術です(写真B)が、今回ご紹介するのは、比較的新しい治療法である遊離結合組織移植術についてです。患者さんは、41歳の男性で右上犬歯の知覚過敏と歯肉退縮が気になるということでご来院さないました。初診時の診察では、右顎犬歯に歯肉退縮(7~8mmの歯根露出)と冷水痛が認められました(写真C)

…どうしてこのような歯肉退縮が起こったのでしょうか?

福山-図1にMaynardの分類を示しますが、タイプ4のように歯肉・歯槽骨が薄い方では不適切なブラッシングや炎症(歯周病)、咬合性外傷(歯に対する過度なストレス)、矯正治療などによって容易に歯肉退縮が起こります。この方の場合、今までかたい歯ブラシを使用しており、習慣的な磨き方の観察などから、この部位のブラッシング圧が強く、歯肉・歯槽骨もあまり厚くないため歯肉退縮が起きたものと推察いたしました。

…どのように治療なさったのですか?

福山-この方法は、口蓋(上顎の歯の裏側部分)から粘膜下の組織を採取し退縮した歯の歯根面処理と周りの歯肉の処置をした後、その採取した組織を移植する方法です。

…この処置のメリットはなんでしょうか?

福山-この処置により、丈夫な厚みのある歯肉が再生され、知覚過敏が消失し、根面カリエスを防ぐことができます。そして、何よりも傷あとの残らない自然な歯肉の色調や形態が回復でき、審美的改善が得られます(写真D)。

…これなら、思いきりスマイルできますね?

福山-お口の健康に対する意識が高まっている昨今、歯だけでなく歯周組織にも目を向けて、常に歯周組織とのバランスや審美的なことを考慮した治療が必要だと感じています。

…本日はありがとうございました。

歯肉退縮3(ブラック・スペース)

Q.歯周病で歯グキが徐々に下がってきて、悩んでいます。特に、上の前歯のすき間が気になります。空気がもれて話しづらく、見た目も悪いため笑えません。何かよい治療法はないでしょうか?

A.歯周病などで歯グキが下がり、歯と歯の間が空いて悩んでいらっしゃる方からのご相談を最近多くいただいております。特に上顎の前歯部にこのようなことが起こると、発音の問題や審美的障害が生じてきますので、精神的な苦痛はいかばかりか察せられます。最近では、各種の再生療法(GTR法、エムドゲイン療法など)で失われた歯周組織を取り戻す治療法が発展してきましたが、図1のような歯と歯の間の大きなすき間(ブラックスペース)を元通りに戻すことは、現在でも非常に困難であるといわれています。但し、最新の歯周外科処置により、ある程度の復元は不可能ではありませんので、審美歯科的な修復と複合して行えば大半の問題は解決できるのではないかと考えています。写真1・2は、歯周病で歯グキが下がり、ちょうどご質問と同じような訴えでご来院なさった40代の患者さんの治療終了時のものです。徹底した歯周病の治療と咬合治療により、歯周病の進行を止め、上顎前歯部歯肉のマイクロ・サージェリ-(繊細な歯グキの形成手術)により、左右の歯グキのバランスを整え、歯と歯の間の歯グキの形成を行いました。本症例においては、若干残った歯と歯の間のすき間に対して、虫歯と変色歯の治療をかねて、審美的なオールセラミッククラウンによる治療を行いました。歯の状況に応じて、ダイレクトボンディングやラミネートベ二ア法などのより小さい処置でも対応できると考えられます。歯周病は、知らず知らずの内に発病し、進行してしまう傾向があります。現在は予防の時代です。このようなことにならないように、定期的にかかりつけの歯科医院でチェックを受け、適切な予防処置を受ける習慣をつけましょう。

写真1・2の術前の状態